ISO9001 Q&A
Q23 顧客満足調査を計画する場合のポイントを教えてください。(9.1.2)
A ISOで要求している顧客満足と、一般に言われている顧客満足(CS)とは、ニュアンスが異なります。ISOでいう顧客満足は、顧客の受け止め方(ISO9000用語の定義より)です。良い受け止め方もありますし、クレームなどの受け止め方もありえます。そして、この情報を9.1.3の分析及び評価を使い、CS向上につなげることになります。
ここでよく見られるのがアンケート調査です。否定はしません。有効に活用されている企業さんも多く見られます。ISO導入前でも、顧客が自社、自社製品に対してどう思っているのかは、顧客との打合せ、営業会議など日々話し合っていたはずです。このような場合は、顧客からの評価はわかっているはずです。アンケートの場合、時間が経過すると、マンネリ化してきます。なお、アンケートのフリー記入欄に記載された内容(多くの場合、要望、クレームが多い)も重要です。
ある企業さんでは、10の項目についてアンケートを行っていましたが、本当に聞きたい項目は一つだけだそうです。目立たないようにダミーの項目を入れて、それとなく狙いの項目の反応を探ろうとしたわけです。こんな工夫も大事です。
アンケートは、来てくれる顧客、つまり企業さんのファンに近い人が対象になる可能性が高いはずです。ライバル企業の顧客からも、なぜ自社でなく、ライバル企業なのかを調べることも競争に勝つために大切です。
(参考事例)
サービス業のX社では、顧客満足は顧客アンケートで実施するのが当たり前と思い、数年間、実施してきました。しかし、満足度は横ばいであり、しかも、回収率もさがり、悩んでしまいました。