ISO9001 Q&A
Q12 管理責任者を選ぶ際の注意点を教えてください。(5.3)
A 経営者からISOシステムのお守りを任される人ですから、何よりも責任感の強い方が適任者であり、自社(*1)の経営層(*2)から選ぶ必要があります。
*自社(*1)グループの別会社の場合でも、管理責任者としての権利があればかまいません。
*経営層(*2)企業全体の業務を把握し、かつ問題があった場合、責任者に対等に具申できる人が望まれます。
ただし、責任感が強く、不適合が出るのは防ぎたいとの気持ちのあまり、問題を自分だけで処置して、隠してしまうようなケースは避けたいものです。不適合が出ないようなシステム(つまり、審査で適合すればよいという考え方)になる可能性があります。理想ですが、普段から経営者に信頼され、また、他の管理層、従業員と良い意味でのコミュニケーションをとれる人だと、良いQMSになる可能性が高くなります。
(参考事例)
建設業のM社では、当初、総務部の部長が文書、記録の管理に詳しいと思い、管理責任者に選任しようとしていました。しかし、現場の実情をよく理解しているのは、工事部の部長であり、現場代理人(監督員)の気持ちが理解できると判断、選任しました。その結果、コミュニケーション力が強く、社長の信頼も厚かったことから、スムーズなISO構築、運用ができています。