ISO9001 Q&A
Q2 文書管理を電子媒体で実施する場合の注意点について教えてください。(7.53)
A 基本的な管理は紙媒体と同様です。つまり、適切な版(通常は最新版)であることが大切です。電子媒体にしても、当初は画面(モニター)で見るよりも、印刷した紙で見ることが多くなるので、印刷されたものが適切な版でなくなる場合に問題が起きます。「印刷されたものは、非管理文書とする」などの印刷表示をし、あくまで電子媒体が原本だという認識を高めておくことが大切です。
また、よくあることですが、サーバーにおいた文書を、自分のPCに保管して使う場合(特に様式)は、注意が必要です。効率化のためには必要ですが(似た内容はコピーできるため)、改訂されていた場合は、誤って旧版を使ってしまうので注意願います。
この他に、サーバーについては、管理責任者以外には改訂ができない仕組(パスワードなどの利用)にすることも重要です。なお、ウィルスチェッカーを入れるのは、当然であり、バックアップも大切です。電子承認を使うためのソフトウェアは、現状、高額ですので、紙媒体で承認し、同一のものを(同期化)サーバーで掲載する(電子文書に承認者名を入力するか、PDF化で保管)する方法もあります。
(参考事例)
施工会社のB社では、グループウェアを導入していなかったため、ワークフローの機能が使えないことから、電子媒体による文書管理ができないと思い込んでいましたが、ファイルサーバーを利用すれば良いという事例を見つけ実施しました。
(参考事例)
施工会社のC社では、文書管理を電子媒体で管理し、バックアップは、サーバーのディスクに保存していました。しかし、サーバー自体が故障し、ディスクからのリカバリーができず、文書を最初から作成しなおす作業をやらざるをえなくなってしまいました。