ISO9001構築のテクニック

7.5 文書管理(その3 電子媒体管理においての運用面)

 グループウェアのワークフロー機能を利用した電子媒体管理を導入されている場合は、システムの中で承認をすることが可能ですが、そういった機能が無い場合の方法をご説明致します。
(1)まず、紙ベースで作成、承認をします(原本、又は文書管理台帳などを利用)。通常の作成は、ワード、エクセルかと思います。
(2)手順などの文書類(マニュアル、規定、手順書など)のファイル(ワード、エクセルなど)に、作成者、承認者の名前を入力します。様式(フォーマットなど)については、そのままです。
(3)媒体に入ったファイルを、サーバーのフォルダ(名前はISOなど)に入れます。つまり、紙媒体と電子媒体の同期化を図る訳です。手順などの文書類(マニュアル、規定、手順書など)には、ファイルのヘッダーに、「印刷されたものは管理外とする」等の表示をいれておけば、紙で印刷された場合でも最新版管理が不要となります。又は、PDFファイルにするのも良いでしょう。PDFは書き直されることがないので安心です。
(4)手順などの文書類(マニュアル、規定、手順書など)については、サーバーの文書を見る(閲覧)ことになります。
(5)様式は、サーバーからダウンロード後、入力、そして記録として紙媒体に出力するか、そのまま電子媒体として保管することになります。なお、記録を電子媒体として保管する場合は、改ざんされない仕組みが必要となります(この仕組みはシステム上で実施するか、運用上で実施するかになります)。
 
*電子媒体管理上での注意事項
記録に使う「様式」を紙ベースで使用した場合、入力後のファイルは自分のPCに保存することが多いかと思います。それは、同じような記録を作成する場合、効率化の点から、コピーしてから修正、作成が出来るからです。ただし、その際、気をつけて頂きたいことがあります。それは、様式が変更になったとき、古い様式を使わないようにすることです。事務局からの連絡の徹底と、使う側の注意が必要となるでしょう。
 
*電子媒体管理上での条件
バックアップをとっておくこと、ウイルス対策をとっておくことに加え、下記が条件となります。
①サーバーの中身を、管理者以外の人は書き換え出来ないこと。
②電子媒体の閲覧の方法が、業務上問題ないことです。いくら、電子媒体管理にしても、紙ベースを見て仕事をしているのが通常であったら、電子媒体管理には適しません。その場合は、紙ベースの管理に変えた方が良いと思います。
③部署によっては、紙媒体しか利用できない場合、又は電子媒体の方が利用し易い場合があります、その際は、併用が良いかと思います。紙媒体を使用する場合は、当初、承認した紙原本を、台帳か原本のいずれかの管理方法により、配付すれば良いでしょう。